医療的ケア児親子をとりまく環境

医療的ケア児とは

周産期先進医療の発達により、日本は500gで産まれても命が助かる「乳児死亡率が世界最低レベルの国」です。
一方で、胃ろうやたんの吸引、人工呼吸器といった医療的ケアやデバイスと共に生きる障害児『医療的ケア児』は、国内で約18,000人と、ここ10年で2倍に増えています。
医療的ケア児の多くは数ヶ月から1年ほどでNICUから退院し、在宅医療に移行します。
医療的ケア児を育児する親御さんのうち母親のほとんどが仕事を辞め、24時間つきっきりで子どもの介護にあたっている現状があります。

医療的ケア児の
養育者の状況

出典:東京大学家族看護学分野 上別府研究室「医療的ケアを要する児童生徒の保護者のレスパイトとQOL(生活の質)に関する調査」

医療的ケア児の主たる養育者の状況について

(回答者675名)

9割以上の家庭で、医療的ケア児の母親が介護を主に担当。主たる養育者である母親の約7割は就業しておらず、医療的ケアを独りで担っているケースも10.9%存在。暮らし向きが「大変・やや苦しい」と回答した人は42.0%にのぼります。

主たる養育者

父親3.3%、母親96.7%

養育者の平均年齢

43.6歳(範囲: 26~59歳)

養育者の
平均睡眠時間

5.4時間(範囲: 2~8時間)

養育者の就業状況

就業なし69.6%、フルタイム6.9%、パート18.3%、自営業5.2%

養育者の暮らし向き

大変・やや苦しい42.0%、普通42.2%、やや・大変ゆとりがある15.8%

医療的ケアの実施者が
家族内で他にいない

10.9%(範囲: 26~59歳)

医療的ケアを要する児童生徒の保護者のQOL

(身体的・精神的・社会的)

医療的ケアを要する保護者の「身体的・精神的・社会的健康度」はいずれも国民標準値(50点)に比べて有意に低く、「社会的健康度」が特に低くなっていました。
社会的健康度の低さは、仕事や家事などの普段の活動をするときに問題を感じたり、友人や親戚等との付き合いが妨げられているように感じることを示しています。

N=675
*統計的な有意差あり(t検定でp<0.05)

※QOL(生活の質)について
今回の調査では、保護者の健康に関連したQOLについて、身体的(活力、疲労、痛み等)・精神的(集中力、落ち込み等)・社会的健康(家庭内や仕事上の問題、人付き合い等)の3つの側面を測定する一般的な成人用調査尺度を用いました。スコアが高いほど健康度が高いことを示します。

出典:東京大学家族看護学分野 上別府研究室「医療的ケアを要する児童生徒の保護者のレスパイトとQOL(生活の質)に関する調査」

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