医療的ケア児親子をとりまく環境
レスパイトとは「休息」のことで、レスパイトケアは、養育や介護をする家族が、一時的に養育や介護から離れて休息し、心身の疲れを取るための支援となります。
医療的ケア児の場合、保護者は子どもの入院中に医療的ケアの手技を教わり習得します。
在宅での生活がスタートしてからは、保護者が中心になって子どものケアを行います。
医療行為は、法律によって家族と医療者しか対応することができません。特定の研修を受けると一部のケアは医療者以外(ヘルパー等)も実施可能になりますが、まだまだ担い手は十分ではありません。
そのため保護者が子どもから離れられないケースが多く、レスパイトケアのニーズは高まっています。
出典:東京大学家族看護学分野 上別府研究室「医療的ケアを要する児童生徒の保護者のレスパイトとQOL(生活の質)に関する調査」
(調査時から過去1週間)
主たる養育者の過去1週間における「公的サービス利用中のレスパイト時間が0時間」と回答した人は30.1%。「他の家族に任せてレスパイトできた時間が0時間」と回答した人は36.5%とそれぞれ最多回答となり、主たる養育者がレスパイト時間を捻出する難しさが伺える結果となりました。
一方で、レスパイト時間が1日あたり平均2時間以上確保されている保護者は1日あたり平均2時間未満の保護者と比べて、社会的健康度が有意に高くなっていました。
(回答者 654名)
(回答者 666名)
公的サービス・学校内での医療的ケア・他の家族の支援によるレスパイトを足し合わせた時間が、月60時間以上の保護者は、月60時間未満の保護者よりも「社会的健康度」が有意に高くなっていました。
出典:東京大学家族看護学分野 上別府研究室「医療的ケアを要する児童生徒の保護者のレスパイトとQOL(生活の質)に関する調査」