遠足プロジェクト第3弾!家族でお出かけしよう!ブシュロンの社員ボランティアさんと東京ディズニーランドに行きました!
こんにちは!医療的ケアシッターナンシー事務局です。
医療的ケアシッター ナンシー(以下ナンシー)は看護師が医療的ケア児・障害児のご自宅に伺い、お預かりするシッターサービスです。複数の制度を組み合わせることで通常の訪問看護よりも長い2~3時間の訪問ができます。その時間を活かしてお子さんの「やってみたい」に寄り添い、お子さんのケアと同時に、発達を促す遊びや学習のサポートをしながら、楽しい時間を一緒に過ごします。
今回は遠足プロジェクト第3弾!
普段はご自宅に訪問しているナンシーですが、今回株式会社ブシュロンジャパン(以下、ブシュロン)さんから、寄付とボランティア支援をいただき、ナンシー利用中のTさん一家と一緒に千葉県浦安市にある「東京ディズニーランド」へお出かけした様子をご紹介します。
たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要である「医療的ケア児」、そしてそのご家族にとって、お出かけはとても難しいことです。外出先でも必要なケアが実施できるように、医療機器も含めて多くの荷物を持たなくてはならず、人工呼吸器のバッテリーの充電や必要な酸素の量が足りるかなど、念入りな事前準備が必要です。また、外出先でケアをする場所があるか、比較的大きいバギーも入るエレベーターはあるのかなど事前に確認しなければならないポイントも多く、日々のケアをしながら下調べをすることも容易ではありません。
2023年夏頃、フローレンスをボランティアや寄付で応援できないかと検討してくださっていたブシュロンさんに、医療的ケア児とそのご家族が抱えるお出かけについての課題感や、これまで2回開催した遠足についてご紹介したことがきっかけで、今回の企画はスタート。
ブシュロンさんは、日頃なかなか接する機会の少ない医療的ケア児やそのご家族について、興味関心を持つだけではなく「ぜひ一緒におでかけをサポートをしたい」と声を上げてくださいました。
家族全員で初めての遠足
今回のお出かけ企画を実施したのは、ナンシー利用者であるTさん。
Tさんご一家は、ご両親と小学1年生のMさん(医療的ケアのあるお子さん)の3人家族です。
Mさんには、24時間人工呼吸器が欠かせません。その他にも経管栄養や吸引などのケアがあります。体温調節が難しいお子さんなので、寒さや暑さの厳しい時期のお出かけには十分な対策が必要です。
行き先は、ご家族で一緒に行くことが夢だった東京ディズニーランドに決定!Mさんにとって、自家用車に乗る1時間以上のお出かけは初めての経験です。
ご家族にどんな1日にしようか何度も相談をしながら当日スケジュールを決めていきました。もちろん、Mさんの体調が第一!どんな1日になるか楽しみですね♪
当日サポートしてくださるボランティアの皆さんとは事前にオンライン上で顔合わせを実施。Mさんのことやご家族のお出かけに対する思いなど、参加メンバー全員で共有し、当日を迎えました。
遠足のしおりも作成して準備万端!
ここからは当日の様子をご紹介します。
いざ、ディズニーランドへ!
12:30頃、Tさんご一家が無事ディズニーランドに到着!ドキドキ、ワクワク..!
先に到着していたブシュロンさん、ナンシースタッフ皆でTさんご一家をお出迎え。
自己紹介もしました。今日は1日よろしくね!
お誕生日が近かったMさんへ、「バースデーシール」と「ファーストビジットシール」そして「40周年記念のシール」をプレゼント!
シールを貼って更に気分が盛り上がってきました♪
この日の浦安市の最低気温は10℃くらい。体温調節が難しいMさんは体を冷やさないようにたくさんの毛布に包まり、完全防寒での移動。クリスマスシーズンのディズニーランドの空気に心躍らせながら、ナンシースタッフも都度Mさんの状態チェックを欠かしません。
初めてのアトラクション!
そうして、まず向かったのは、「ミッキーのフィルハーマジック」
期待を胸に膨らませながら、初めてのアトラクションに向かいます。
聴いても見ても楽しい魔法のコンサートには、たくさんのディズニーキャラクターが登場!Mさんも3Dメガネをかけて、ドナルドと一緒に息を飲むようなディズニーアニメーションの世界へ飛び込みました!
風が吹いたり、水しぶきが飛んできたり、ドキドキしながら五感で楽しんでいました。
その後は「カントリーベア・シアター」。
18頭のクマたちがユーモアたっぷりにカントリー&ウエスタンを大熱演。人間顔負けの名演技、名演奏を披露してくれます。クマたちが奏でる音楽に、Mさんもリラックスした表情を見せてくれました。
医務室で休憩を終えてから、レストランで少し遅めの昼食です。
皆で楽しく会話を弾ませながら、美味しく昼食をいただきました。
ドナルドと初対面!
昼食の後はドナルドとグリーティング!Mさんも新しい衣装に身をまとって、ドナルドの元へ。初めて会えたドナルドに、ご家族・Mさんもとっても嬉しげな表情。ドナルドもハイテンションで迎えてくれました。
皆で揃って記念写真。はいチーズ!
ドナルドとの写真撮影が終わり、メインエントランスへ。
向かう途中に白雪姫の泉を発見!7人の小人たちに会えました。
そして、ワールドバザールへ。
ツリーや華やかな装飾を実際に見たり、色んな人の声や美味しいポップコーンの香りなどを感じたりすることが出来ました。
お家に帰ろう!
楽しかった時間もあっという間に過ぎてしまい、そろそろ帰る時間に…!
ここで、Tさんご一家とはお別れです。今日1日の思い出を噛み締めながら、お互いに何度も何度も手を振っていました。
その後、Mさんの体調に変化はなく、無事に家に到着出来たとご家族より連絡を受けました。
当日の寒さに、無事に1日を終えられるのか、少し不安もありました。ですが、事前の準備や、ご家族、スタッフとの十分な連携があったので、今回の遠足も終えることができたと思っています。
お母さんからは、
「どうしても安全を考えると一歩踏み出せなかったお出かけ。夢の国の、夢のような時間はあっという間でした。また、両親だけではとても手が足りず、ボランティアスタッフさんや看護師さんがいてくれたからこそ安全に実現出来ました。今回の遠足に行けた経験が自信となり、違う場所に出かけてみたいという新しい夢、目標が出来ました。」
とのお話をいただきました。
今回はこのようにお出かけすることが出来ましたが、2019年度の厚生労働省の調査では「医療的ケア児との外出が困難を極める」という質問に対し、「当てはまる」「まあ当てはまる」と答えた割合は65.3%にも上るという調査結果もあります。(詳細:医療的ケア児者とその家族の生活実態調査 報告書P54)
わたしたちは引き続き、ブシュロンさんをはじめ、様々な企業の皆さんと連携を深めながら、医療的ケア児とそのご家族の楽しい時間をサポートしていきたいと思います。