「放課後等デイサービスを使うと医療的ケアシッター ナンシーは使えない」と言われた方必見。実は両方使えることもあるんです。

こんにちは。医療的ケアシッター ナンシー事務局です。
ナンシーは、障害があったり医療的ケアを必要としたりするお子さんの自宅に看護師が訪問し、体調管理や医療的ケアを行いつつ、体調を考慮した上で遊びや活動を通じて発達支援をするといった、訪問看護とはちょっと違ったサービスです。

現在も新型コロナウイルス感染拡大の影響が続いており、特に感染へのリスクが大きい障害児や医療的ケア児のご家庭では、今も外出を控えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。中には、お子さんの発達面への影響も気になってくる方もいらっしゃると思います。

ナンシーが訪問時に利用している制度のひとつ、「居宅訪問型児童発達支援制度」は、原則として外出が難しいお子さんを対象としています。

このように記載すると、すでに通所の放課後等デイサービスや児童発達支援、保育園・学校など(以下、通所型支援とします)に通われている場合、ナンシーの利用は難しいのではと諦めてしまわれるかもしれません。

実はすでにどちらかに通われていても、一部利用対象となる場合があるんです。

今回は通所型支援と居宅訪問型児童発達支援の併用に関する事例と、実際の利用者の方の声をご紹介します。

ナンシーではどのようなことを行うの?

併用できる事例紹介の前に、まずナンシーではどのような活動を行っているかをご紹介します。

①健康状態の維持・改善

何よりもまずお子さん自身の体調が安定して、心地よく過ごせることが大切です。ナンシーでは主治医の先生と連携し、日々の医療的ケアのお手伝いを行います。

②生活リズムをつくる

たとえば、呼吸器を使用していて、お家で過ごすことが多いお子さんだと、なかなか生活リズムが整わなかったり、毎日の習慣づくりが難しいことがあります。
ナンシーが訪問した際には決まった合図からケアや活動を始めてみるなど、毎日の生活リズムを整えられるようサポートをしていきます。

③運動・動作のトレーニング

個別の訪問だからこそ、それぞれのお子さんの状況に合わせたトレーニングを組み立て、楽しく行えるように工夫しています。例えば、お家の中でも季節感を感じてもらえるよう、落ち葉を使って貼り絵をしてみたりしています。

④人間関係の形成・コミュニケーション

ナンシーではお子さんが家族以外の人と過ごす経験も重要と考え、スタッフと体操などを通じて触れ合うことや、心を通わせながら一緒に過ごす過程を大切にしています。
お子さんとじっくり向き合っていると「やってみたい」などいろいろな表情、意思表示が出てきます。

どのような場合に通所型支援とナンシーを併用できるの?

居宅訪問型児童発達支援の対象者について、「児童発達支援、医療型児童発達支援又は放課後等デイサービスを受けるために外出することが著しく困難な障害児」とされています。

したがって2018年に居宅訪問型児童発達支援制度が施行された時点では、通所型支援を利用している方は居宅訪問型児童発達支援であるナンシーを利用できない、ということが一般的でした。

しかし厚生労働省から2020年6月26日に出された通知では、「以下の例を参考にしつつ、各自治体で個別の児童の状態に応じて柔軟に検討し、居宅訪問型児童発達支援の支給決定の判断を行う」とされました。通知の中には、「時期によって感染症に罹患した場合、重症化するリスクが高いことが予想される場合」など、現在のコロナ禍にも当てはまる可能性のある例や、毎日の通所が体力的に難しい場合に、通所による支援に移行するためのステップアップとしての併用例も記載されています。

この通知によって、多くの自治体で、通所型支援とナンシーを併用する事例が出てきています。

(1)毎日の通所は体力的に難しいが、居宅訪問型児童発達支援と通所施設を併用しながら段階的に通所回数を増やし、 通所施設に移行する場合
※児童発達支援や放課後等デイサービスに限らず、保育所や幼稚園などとの併用も同様に考えられたい。

(2)学校に通学しており、 授業終了後に放課後等デイサービスを利用中であるが、毎日の通所が体力的に難しいため、居宅訪問型児童発達支援と放課後等デイサービスを併用しながら段階的に回数を増やし、 通所による支援に移行する場合

(3)現に通所施設に通所しているが、冬期など時期によって感染症に罹患した場合、重症化するリスクが高いことが予測される場合

(4)通所施設に通所していたが 、全身状態の悪化が見られ通所が難しくなってきた場合、居宅訪問型 児童発達支援のみの利用が考えられるが、状態が悪いながらも少しでも通所可能な状態であると判断でき 、障害児や保護者が引き続き通所することも希望する場合

(5)日常的に家族が送迎可能な範囲内に通所施設はないが、月数回であれば送迎可能 であり、送迎可能な時は通所施設、送迎が難しい場合は居宅訪問型児童発達支援を利用することで継続した支援が可能となる場合

ただし、この場合、当該自治体において、医療的ケア児等に対する発達支援のため適正に通所できる場の確保の観点より、医療的ケア児等の協議の場や、(自立支援)協議会を活用して、通所の場の確保について検討することを、支給決定の条件とする。

(6)通所可能な範囲に通所施設はあるが、利用児童が多く希望通りに利用ができないため、居宅訪問型児童発達支援を利用することで継続した支援が可能となる場合

ただし、この場合、当該自治体において、医療的ケア児等に対する発達支援のため適正に通所できる場の確保の観点より、医療的ケア児等の協議の場や、(自立支援)協議会を活用して、通所の場の確保について検討することを、支給決定の条件とする。

制度上、通所の児童発達支援と居宅訪問型児童発達支援を同じ日に利用することはできません。そのため、通所型支援を利用しながら、居宅訪問型児童発達支援で訪問するナンシーを別日に利用するケースもあります。

通所と居宅の併用で「すごくよかった」ナンシー利用者の声

実際に通所型支援とナンシーの両方をご利用中の方にお話を伺ってみました。


元々娘は通所施設にも週1回通っていましたが、気圧によって体調の変動があり行けないことも多かったんです。

少しでも行ける可能性を増やせたらと、通える日数を増やしてもらうことも相談したのですが、その時点では施設の空きがないと言われてしまいました。

他の施設を探して通っていたのですが、コロナの感染拡大で、自分か娘のどちらかでも体調が万全ではないときはお休みするようになりました。
すると結果的に、本来通えるはずの日数の半分しか通所に行けなくなってしまったんです。

そんなとき、友人からの紹介でナンシーを知りました。
以前区役所に問い合わせたときには、通所に行っているお子さんは対象外と言われていたのですが、状況によっては検討できると聞き再び問い合わせてみました。

看護師が自宅に来てくれるのであれば少しはリスクが低いかなと思いましたし、体調に合わせた活動をしてもらえるのがありがたいと思いました。


実際に使ってみて、すごくよかったです。通所先だと一人だけ別行動というのが難しいのですが、ナンシーでは娘のペースでケアや活動をしてもらえます。体調に合わせて休憩をとることもできるし、活動的なときには2時間しっかり遊んでもらうこともできます。

おかげで、体調が不安定で通所に行けない日は今もありますが、週1回はちゃんとナンシーと一緒に活動してもらえるのがとってもありがたいです。

娘には他の人と関わる時間も大事にしたいと思っています。

親が絵本を読んだり、一緒にお絵かきしたりするのとは、また違う時間を過ごせていると思うんです。娘も本当に楽しそうで、年齢も重ねてきたのもあって表情も増えてきました

居宅訪問型児童発達支援が支給されるかどうかの決定は各自治体によりますが、お子さんとご家族にとって一番良い環境づくりにあたって少しでも参考になれば幸いです。

居宅訪問型児童発達支援は2018年に施行されたばかりの新しい制度です。
まだ利用者が1人もいない自治体もあり、制度の詳細や通所型支援と併用できる場合について知られていない可能性もあります。不明な点などあれば、ぜひ一度ナンシーにお問い合わせください。

ナンシーのような訪問型支援で、感染の面などでより安心できる環境からお子さんの体調の安定や発達支援を始めて、その先の外出や集団生活にもつなげていけたらと思います。

また、訪問する時間がご家族にとっても休息やきょうだいと過ごす時間となり、日々の生活に少し余裕を持つお手伝いができたらと思います。

ナンシーの訪問をご希望される方は、下記のフォームよりお問い合わせください。

※ナンシーの感染対策についてはこちらの記事も合わせてご覧ください。

新型コロナの緊急時も障害児家庭へ看護師が訪問する理由【医療的ケアシッターナンシー】

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