「医療的ケアシッターナンシーを利用したい!」手続きは難しいの? サービス開始までの流れをわかりやすく解説
こんにちは!私はナンシーを利用しているうさこです。今回は利用にあたって必要な手続きについて、実体験を交えてご紹介します。
ナンシーを利用してみたいけれど、どうやって始めたらいいかわからない…そんな親御さんに、医療的ケア児を育てる当事者として、手続きの流れをわかりやすくご紹介できればと思います。日々頑張る親御さんたちがほっと一息つける時間、そして、お子さんの「やってみたい」がかなう時間を、ナンシーで一緒に実現しませんか?
私の息子は超低体重出生児として生まれ、1年半近くを病院で過ごしました。いよいよ退院の時期が見えてきたとき、嬉しさと同時に、退院後の生活に不安も感じました。息子のような人工呼吸器をつけた医療的ケア児を育てるために、どんなサービスが利用できるのか?手探りで情報を集めるなかで知ったのが、現在私が利用している医療的ケアシッターナンシーです。
ナンシーとは
ナンシーは、看護師による医療的ケア児や障害児のためのシッターサービスです。小児科で十分な経験を積んだ看護師が訪問するため、吸引・経管栄養、人工呼吸器や気管切開の対応も可能です。我が家がナンシーを利用することにしたのは、私が就労していなくても利用が可能であったからです。
フローレンスには障害児を対象としたサービスが3つ※ あります。施設型の障害児保育園ヘレン、そして訪問型の障害児訪問保育アニーと医療的ケアシッター ナンシーです。この中で、私のように親が離職中であっても利用できるのが、医療的ケアシッターナンシーです。
※詳しくはこちらの記事をご参照ください。
アニー・ヘレン・ナンシーの特徴を徹底比較!フローレンスの障害児向けサービス
ナンシーは週1~2日、1回あたり最大3時間の利用が可能で、その間私たち親は自由に外出することができます。私自身、こうした時間に買い物や病院に行ったり、ちょっとカフェで本を読むなど、自由な時間を過ごしています。子ども自身も、マンツーマンでのたくさんの遊びを通して、少しずつ自分の興味やできることが増えているのを感じます。
医療ケアが必要なお子さんが退院する予定のご家族、そして、日々の介護の中でちょっと自分の時間があったらいいなぁと感じているご家族は、ぜひナンシーを利用してみませんか?
ここからナンシー利用開始までの流れを、私の体験を元にご紹介します。
利用開始までのながれ
ナンシーに連絡
まず、ナンシーのインターネットサイトにある「お申し込みフォーム」から問い合わせをします。お名前やお住まいの地域、障害児通所支援サービス(児童発達支援や放課後等デイサービス)の利用有無などを入力して送信すると、後日事務局スタッフからメールで連絡が来るので、電話での面談が可能な日時を確認、調整します。
面談では子どもの状態や希望をもとに、具体的なサービス内容を決定し、実際にナンシーのサービスを利用するための手続きについて説明があります。
【どんな制度を利用するの?】
行政の福祉制度を利用するので、利用者は安価な自己負担額でナンシーのサービスが受けられます。利用できる制度には、以下のものがあります。
- 居宅訪問型児童発達支援(※必須)
- 居宅介護
- 移動支援
- 訪問看護
我が家の場合、すでに3つの訪問看護ステーションにお世話になることが決まっていたので、居宅訪問型児童発達支援と居宅介護を利用し、それぞれ1時間、一回当たり合計2時間の訪問を週2回希望しました。
【我が家の1週間のスケジュール】
※居宅訪問型児童発達支援と居宅介護を利用することで、訪問看護と同日の訪問が可能です。
受給者証申請手続き
(1)障害児支援利用計画書案の作成
ナンシーに入会するにあたり、「居宅訪問型児童発達支援」と「居宅介護」の受給者証を発行してもらうよう、居住地の自治体へ申請することになります。申請にあたっては、事前に障害児支援利用計画書(案)を作成する必要があります。障害児支援利用計画書とは、サービス利用者を支援するための中心的な総合計画(トータルプラン)で、それを元に自治体はサービスの支給量を決定します。計画書案は相談支援専門員※1 に作成してもらうことが可能です※2 。我が家は区役所の障害者福祉課※3 で相談支援専門員を紹介してもらいました。相談支援専門員は面談や家庭訪問などを通して、子どもが生活する上で解決すべき課題や支援方針を検討し、それを元に計画書案を作成します。
計画書案の準備が整ったところで障害者福祉課に連絡を取り、後日窓口で申請手続きを行うことになります。
※1 担当の相談支援専門員が決まっていない場合は、お住まいの地域の障害者担当窓口や基幹相談支援センター、相談支援事業所で紹介してもらうことができます。
※2 特に居宅訪問型児童発達支援の申請については、必ず相談支援専門員に作成してもらう必要があります。
※3 自治体により名称は異なる場合があります。
(2)自治体窓口での受給者証申請
「居宅訪問型児童発達支援」と「居宅介護」の受給者証を取得するための申請を窓口で行います。申請には、事前に作成した「障害児支援利用計画書案」と「身体障害者手帳」もしくは「愛の手帳(療育手帳)」※ が必要です。我が家の場合、1回あたり1時間の発達支援と1時間の訪問介護を組み合わせ、合計2時間の訪問を週2回希望していたので、居宅児童発達支援として月10日、居宅介護として月10時間利用できるように申請を行うことになりました。自治体での受給者証支給の決定までには1ヶ月ほどかかることがあるので、早めに手続きを進めることをおすすめします。
※お子さんの状態によっては医師による診断書で代用される場合もあります。また、自治体により必要書類が異なる場合がありますので、事前に窓口にご確認ください。
ナンシーに正式入会
お住まいの自治体から受給者証が届いたら、ナンシーと連絡を取り、オンラインで利用契約を結びます。こうしてナンシーに正式に入会となり、サービスの利用が可能になります。
サービスの利用開始
利用日時や担当ナースが決定すると、いよいよサービス開始です。
【サービス利用までの流れ】
ちなみに、ナンシーでは事務局からの連絡や請求書類がオンラインで簡単に確認できる「じぶんページ」が用意されています!事務連絡をまとめてチェックできるので、利用開始後の手続きもスムーズです。
また、看護師の空いている時間をカレンダーで見て予約・訪問してもらえる「一時利用」もあります。
いかがでしたか? 手続きの流れをイメージしていただけたでしょうか。
ナンシーは今では我が家になくてはならない存在です。ナンシーを利用することで、もっと多くの医ケア児ファミリーが心豊かに前向きな気持ちで毎日を過ごしてほしいと思います。