医療的ケアシッター ナンシーのおかげで、集団保育の夢が叶った【利用者インタビュー】

こんにちは!「医療的ケアシッター ナンシー」スタッフの安野です。

フローレンスでは、障害や医療的なケアが必要なお子さんのための、障害児保育園ヘレンと、障害児訪問保育アニーという事業を運営しています。

利用する保護者のほとんどが、職場復帰ができていて、自分がやりたいことに挑戦されています。

しかし、一般的な状況としてはこうした職場復帰を叶えている親御さんはまだまだごく一部で、多くの方は断念している状況にあります。
というのも、通常の保育園と同様、ヘレンやアニーを利用する際も、自治体への申請が必要で、この申請ですら大きなハードルになっているからです。
一日中痰の吸引や経験栄養の注入など、医療的なケアをしているご家族にとって、申請をするための時間を捻出することはとても難しいことです。

さらには、新型コロナウイルスの感染が心配される状況下で、お子さんを連れて役所などへ行くことをためらう方も多いと思います。
そんなときこそナンシーを利用してください。
ナンシーは、医療的ケア児(以下、医ケア児)のご家庭に看護師が訪問し、お子さんをお預かりする事業です。お預かり中は親御さんも自由に過ごしていただくことができます。
今回は、ナンシーが訪問している時間を活かし、念願の集団保育を行う障害児保育園ヘレンにお子さんを預けることができた親御さんにお話を伺ってきました。

ナンシーを利用したお母さんのインタビュー

Tちゃん。現在2歳。2019年10月よりナンシーを利用。気管切開術後で気管軟化症。呼吸ができるように首に器具を装着していましたが、その器具に溜まる痰や分泌物を取り除くための医療的なケアが必要でした。
Tちゃん自身、活発に動くことができるため、
ナンシー訪問中は、看護師が医療的なケアを行いながら、・走る、跳ねる、飛ぶことやボールや風船を使い投げる蹴るといった粗大運動向上を促す遊び
・制作やお絵かき、粘土やスライムなどを使い微細運動向上を促す遊び
といった活動をしていました。
2020年1月にナンシーからヘレンへ転園することに。

ナンシーを利用したきっかけとお子さんの変化

安野)最初にナンシーに申し込まれたときは、どのような状況だったのですか?

日中夜中と、呼吸状態が下がるアラームが鳴ると毎回起きて吸引や吸入をしていたので、睡眠時間があまりにもとれなかったんです。訪問看護を利用して休息を取ろうとしましたが、結局家の中で私を探してしまうので休めませんでした。

訪問看護は、制度上子どもを外に連れ出すことは難しく、娘にとって家の中だけでは物足りないだろうなとは思っていましたが、自分も睡眠不足の状態が続いていたので外に連れて行くのも大変で・・・。

そもそも、元々住んでいたところには医療的ケア児が通えるような場所がありませんでした。子どもにとっても同年代と遊べる機会がないし、私にとっても休まる時間がない。

そんなとき、夫が新聞でナンシーというサービスが始まるニュースを見つけました。自分も一息つく時間ができるし、子どもと専門的に関わってもらえる発達支援もあり、まさにうってつけ!と思いました。

安野)そうだったんですね。ナンシーを利用し始めてから、お子さんにはどのような変化がありましたか?

最初は人見知りがあり、私のところに、ずっと来てしまっていましたけど、訪問回数を重ねるうちに少しずつナンシーの看護師さんに慣れていきましたね。

2ヶ月後には「明日ナンシーさん来るよ」と言ったら「やったー!」という言葉が返ってくるようになりました。

子どもと離れる時間ができたおかげで叶ったこと

安野)お子さんにとっては初めて家族以外の人と過ごす時間ですから、最初は緊張していたでしょうね。
ナンシーを利用した後にヘレンに転園することになりましたが、ヘレンにはどうして入園を希望されたんですか?

やはり同年代の子との関わりを経験させてあげたい、というのが大きかったですね。公園で子どもを見ていると、他の子に近づいて遊びたそうにしている様子を見ていたんです。娘はお友達と遊んだり、他の子どもたちと関わる経験がないので、児童館に行ってもなかなか同年代の子と遊べなかったんです。

医ケアがあっても安心して預けられるヘレンに行けたらいいなと思って申し込みました。

安野)入園の手続きは、行政に申請書を提出したりと外出して行うことも必要だったかと思います。どんな風に進めたんですか?

はい。医ケア児の家庭だと、ずっと母親と子ども2人というケースが多いと思いますが、私たちはナンシーを利用したおかげで、毎週数時間でも来て娘と遊んでいただき、母子ともに有意義な時間を過ごすことができました。

安野)次はヘレンで集団保育ということで、お母さんにとってもTちゃんにとっても楽しみですね。

はい。入園前に、私と娘でヘレンに行ったときには、娘は一人で他の職員さんと一緒に待っていることができました。それはナンシーに毎週来てもらって、親以外の人にも慣れていたからこそだと思っています。

娘がお友達と一緒に遊ぶ姿を見るのがとても楽しみです。

安野)お話聞かせていただきありがとうございました。これからヘレンに転園した後も、Tちゃんの様子が見られたら嬉しいです!


Tちゃんがヘレンに入園後、お母さんは求職活動を行い、無事、再就職をすることできました。
Tちゃん自身も同年代のお友達との交流ができるようになりました。

Tちゃんのご家庭のように、集団保育を希望しているご家庭でも、第一段階として、ナンシーをご利用している方もいます。
実際、ナンシーを利用しながら、ヘレンやアニーの入園を叶えたご家庭が3組います。

ヘレンやアニーは、親御さんの就労支援が目的の一つとして運営しています。
ただ、医ケア児の親御さんが働くことや、医ケア児が保育園に通うことは、日本ではサポート体制がまだまだ発展途上にあり、ハードルが高く感じる親御さんが多いのも現実です。
第一歩を踏み出すための準備に必要な短い時間ですらつくるのが難しい。そんなご家族をナンシーはサポートしたいと活動しています。

医療的ケア児とその家族が一歩を踏み出すときに、「やってみたい」を一緒に叶えられる存在でありたいと思っています。

医療的ケアシッター ナンシーのご利用には、いくつかの条件があります。

ご利用希望の方は、こちらからお問い合わせください。

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